練習会 2012 第1回報告

日時:
2012年4月22日(日) 10:30〜14:00
テレイン:
緑笏の森 (千歳市真々地)
コースセッター:
宮川
参加者:
伊藤(吉昭)、伊藤(真由恵)、山田、岡本、崎原、小山、松本、昆野、内山、宮川、青木、横山 (敬称略)
メニュー:
ポイントオリエンテーリング

本年度最初の練習会は千歳市青葉公園で記録会をおこないました。昨年12月に中止したロングコースのポイントオリエンテーリングです。
コース図・成績・ラップ解析・レッグ分析などは以下にあります。
またゴール後にルートを書いて頂いた皆さんのルート図もリンクします。

青葉公園は道央高速道路を挟んだフラットなテレインで道も適度にあり、トップで7分45秒/km、3位で8分22秒/kmと狙い通りの高速レースになりました。
スタートで地図の渡し間違いがあり、昆野君が途中をショートカットしたASコースとなってしまいました。ごめんなさい。

 Training_aoba_park 
 2012年04月22日 [緑笏の森]
 A   Map 成績 ラップ解析 レッグ分析 チャート 7.77km 松本   1:00:12
 AS   Map 成績 ラップ解析 レッグ分析 チャート 5.18km 昆野   0:47:50
出力日時 : 2012/04/22 15:49

ルート図

コースコンセプト

前回の青葉公園(2010年第7回練習会)と同様にインカレリレーのエリートクラス相当のコースを想定して組みました。トップで60分前後、しかし(リレーのタスキが繋がるように)下位でも大崩れはさせず、90分程度で走れるようにする、というコンセプトです。
青葉公園は北の千歳川・南のママチ川に削り残された東西に長い台地状のテレインで、スタートの図書館は東端ですから南北に往復しながら西端まで行き、帰りは平行に戻ってくる7.7kmのコースを考えました。途中でループさせれば地図交換無しに10kmまで可能なテレインと思います。

ランナーのルートがばらけるレッグと同じルートとなるレッグを組み合わせてコースを組んでいます。狙い通りに2→3・5→6・14→15は全員が違うルートを走っています。これらのレッグに正解ルートは無く、「どのルートが良いか?」と立ち止まって考えるくらいならば最初に見えたルートを走り切った方が速いはずです。
意外だったのは8→9で、植林地の西縁を走るのが一番簡単で早いと予想していましたが1名しか使っていません。大多数の参加者が植林地東の道を通っています。

レース分析

ラップ解析の見方

以前に"ラップ解析の活用"というコラムを書いています。「ラップ解析って何?」という人はコラムのラップ解析とは?の節をまず読んで下さい。

ファインレッグ

まずは今回のレースファインレッグから。

見えないミス

"ラップ解析の活用"のミスの反省に書きましたが"見えないミス"を把握することがオリエンテーリングの向上には必要です。
本来はもっと早く走れるはずのレッグをゆっくりと進んだ時のタイム差が"見えないミス"です。
ルート図には表われないので、e-Cardを使ったラップ解析ではじめて焙り出すことが出来ます。走った本人は「あそこは歩いてしまったからな・・・」と分かっていますが、まったく自覚のない場合もあります。いずれにせよ、どのくらいタイムロスしたか?はミスタイムを解析してみなければ判りません。

見えないミスの具体例

今回のレースにおける"見えないミス"を実際にチェックしてみます。(ルート図で分かる明らかなミスは除外します)
名前の後の数字はミスタイム/(ラップタイム)です。

3→4
横山 4'57"/(8'20")
これは典型的な"見えないミス"です。ルート図では他の人と同様に尾根をたどっていますが、290mに8'20"かかっています。
4→5
青木 1'51"/(7'04")
大部分が道走りのレッグで2分近いミスタイムは余計です。横山君のミスタイム1'11"、内山君の1'12"もちょっと遅いです。
5→6
山田 1'54"/(9'39")
山田さんの1'54"も上と同様。少し遅いのが内山君1'04"、崎原君1'20"、青木君1'21"
8→9
内山 1'25"/(5'46")
同じルートの小山君・青木君は4分台で走っています。同じく東の道を走りコントロール周りで迷った岡本さんよりも遅いです。
9→10
岡本 1'09"/(3'13")、崎原 1'03"/(3'48")、横山 1'21"/(4'28")、青木 2'47"/(5'36")
道のある沢に出てからのリロケートに時間がかかったのでしょうか?
レッグ線と斜めに交差する植生界沿いに進んでコントロールの東で道に出たのが内山君、岡本さん、青木君。内山君はラップタイム2'36"なのでコントロールの東側に出たのをきちんと意識していたのでしょう。また小山君は斜面を斜めに進むのではなく、等高線に対し垂直に下っています。これは方向を維持し易く、確実にコントロールの西側に出れるので優れたルート取りです。(エイミングオフ)
12→13
横山 3'19"/(7'11")
13→14
山田 1'17"/(4'28")、横山 3'06"/(6'03"
14→15
小山 (2'04"/(9'58")、宮川 2'16"/(11'12")、青木 3'25"/(12'39")、山田 3'39"/(14'43")
レース終盤にルート取りの面倒くさい1.0kmのロングレッグを用意しました。目論見通り4名が一番大きな"見えないミス"を計上してくれています。
小山君が少し遠回りをしていますが(実距離1378m)、野球場のすぐ北の道を走るルートは200m短いだけですのでミスタイム2分のうち半分は"見えないミス"でしょう。

まとめ

今回のレースで嬉しいのは、皆さんミスをしてもきちんとリカバーし大崩れ無くゴールされている点です。北海道全体として少しづつレベルアップしているのを感じられます。
最初に書きましたが上位の3名は大変に良いレースをしています。特に小山君のルート取りはレッグ線に乗って直線状に切って行こう!、というアグレッシブさを感じました。

さらに上を目指すには、もっと走力を上げていくことも課題となってきます。
オリエンテーリングでは8分/kmで走りきれればかなり上位の成績を望めます。一見かなりゆっくりとしたペースですが、

があり、オンロードのランニングスピードとして4〜5分/kmがないと難しいです。
さらに4〜5分/kmのスピードを持っていても、それに見合う地図読みの技術が無ければ走力を生かすことが出来ません。
本年度の練習会は8分/kmのオリエンテーリングを目標とした練習メニューを考えていくつもりです。


初版:2012年4月22日 最終更新:2012年6月9日