練習会 2012 第4回報告

日時:
2012年7月8日(日) 10:30〜16:00
テレイン:
走れ!島松環境保全地区 (北広島市島松)   [縮尺 1:10,000, 等高線間隔 5m]
コースセッター:
宮川
(パンチ台設置協力)  青木
参加者:
岡本、重田、崎原、辻本、小山、松本、横山、野坂、内山、昆野、宮川、青木、岸、白石 (敬称略)
メニュー:
変形地図によるサーキットトレーニング

目的

第3回練習会でおこなった交通信号方式によるスピードコントロールを実際の森の中でおこないました。

コース図

メインは2.3km×2本です。
これらの他にコントロールピッキング[1km]とエクストラのサーキット[2.3km]を用意しました。(こちらは通常の地図です)
今回のメインコースはそれぞれ2種類の地図を組み合わせて使います。

地図(1)はスタートとコントロールに設置、各自は地図(2)だけを持って走ります。
コントロールで地図(1)を暗記して地図無しで走り、次のコントロールのアタックポイントで地図(2)に切換えます。

コース図を以下に示します。
コースは複数のルート取りが存在するレッグを避け、単純に青信号区間→黄/赤信号区間となるように設定しました。
(メインコース1の2→3のみ、出戻りを防止するショートレッグとなっています)

また通常地図のコントロールピッキングと追加のサーキットコースも示します。

結果

成績・ラップ解析・レッグ分析などを以下に示します。
計画では2本目以降にランニングオブザベーションをおこなう予定でしたが、コースの難易度が少し高すぎたため1本目の帰還時刻が揃わずフリーランのサーキットトレーニングとして実施しました。

 Training_simamatu 
 2012年07月08日 [走れ!島松環境保全地区]
 メインコース1   成績 ラップ解析 レッグ分析 チャート 2.4km ↑90m 松本   0:19:54
 メインコース2   成績 ラップ解析 レッグ分析 チャート 2.3km ↑75m 松本   0:18:25
 コントロールピッキング3   成績 ラップ解析 レッグ分析 チャート 1.07km ↑35m 岡本   0:08:42
 エクストラ4   成績 ラップ解析 レッグ分析 チャート 2.38km ↑85m 松本   0:22:35
出力日時 : 2012/07/12 07:42

コース解説

今回はかなり制限された地図で走ってもらいました。
しかしこれだけの情報で充分に完走出来ます。(実際には表示されているよりも少ない情報しか読み取っていないでしょう)
そして地図を細切れに提示することにより青信号区間・赤/黄色信号区間を切り換えるように誘導してみました。
地図上にたくさん記載された情報を選別し、必要最小限だけを読み取るのがオリエンテーリングの地図読み能力です。
上手く走れたでしょうか?

今回のコースで設定した青信号区間のパターンを分類してみます。

道走り
一番わかり易い青信号区間です。 の2点に注意すれば楽に走れます。
例) (メインコース1)S→1、1→2、5→6、(メインコース2)S→1
沢(尾根)
長く続く大きな沢/尾根も、道と同じ線状特徴物と考えましょう。廃道寸前の細い道よりも分り易いくらいです。
注意点は道走りと同じです。
例) (メインコース1)6→7、(メインコース2)1→2、3→4、5→G
道に向って直進
地図を見ずに走れる青信号区間を増やすのに有効なのが、この道に向って直進です。
多少左右にズレても問題になりません。いわゆる"ラフな直進"というやつです。
慣れればコンパスのリングを回さずに正置して方向を決めるだけで走れます。
狙いを意図的にズラすエイミングオフを併用すると、道に出てからの判断時間を短縮できてさらに効果的です。
同様のパターンに大きな尾根/沢に向かって直進オープンに向かって直進があります。
例) (メインコース1)3→4、4→5、7→G、(メインコース2)2→3、4→5

コントロール間のルートを選択するにあたってはいろいろな要素を加味して決めます。

これら以上に重要なのが、地図との照合回数の少ないルート、言い換えれば青信号区間を長く取れるルートです。
青信号区間の持ちパターンを増やし、青信号区間を長くすることによりオリエンテーリングは速くなります。

青信号区間を長くするとなぜ速くなるのか?
やはり地図と現地の照合動作を行うと走るスピードが落ちます。地図を読まなくても現在地を見失う心配が無いならば、そのまま走った方が速いです。

では地図を読まずに走れる青信号区間で何をするのか?

・ひたすら走る (ランナーのオリエンテーリング)
地図を読むなどの考え事をするとどうしてもスピードが落ちます。青信号区間の終点と定めた目標までひたすら走り時間短縮に務めます。
・地図を読む (ナビゲーターのオリエンテーリング)
地図を読まずに済む区間で地図を読む、というのは矛盾しているようですが次レッグ、次の次のレッグのルートを読みます。
青信号区間で省略できる地図読みは現在位置の把握です。しかしレッグ間のルートを決めるためにはどこかで地図を読まなければなりません。
ナビゲーターのオリエンテーリングでは、トップスピードの70〜80%に落として走りながら地図の先読みをします。
そしてコントロールに着いた時には次のルートは既に決まっており、ノンストップで走り抜けます。

ランナースタイルとナビゲータースタイルはどちらが速いと決まっているわけではありません。両方試してみて自分の気に入ったやり方を見つけるのが大事でしょう。
状況によって戦略的に使い分けることも必要です。(レース前半は地図の先読みに徹して、後半はひたすら走る、とか)


初版:2012年7月16日 最終更新:2012年7月16日