大会運営者による動画作成のススメ
〜 大会ダイジェスト動画作ろうよ。難しくないよ 〜
この記事はアドベントカレンダー2020(裏)のために書きました。
宮川@札幌農学校です。アドベントカレンダー(裏)で一昨年、昨年はコース設定ソフト"PurplePen"について書かせて頂きました。今年はオリエンテーリングの大会動画作成についてです。「せっかく大会を開くならば、動画を撮って残そうよ。そんなに難しくないよ」というお話です。
私の動画作成歴
私の動画作成歴は大したことはありません。2015年に一度チャレンジしようとしましたが挫折しました。1年前のスキーOで初めてちゃんとした動画を完成させ、それから1年間でロゲイニングや大会予告も含めて20本の動画を作成しました。それだけです。失敗作もあります。それも含めこちらのYouTubeチャンネルに置いてあります。
大会ダイジェスト動画の目的
まずは動画を作成する目的を確認しておきましょう。以下のようなものになると思います。
- 大会参加者へのお礼
- 運営者の満足感
- 運営してくれた皆さんへのお礼でもあります
- ほとんどの運営者は競技の様子を見ることが出来ないので…
- 次回大会の宣伝材料
大会ダイジェスト動画制作のポイント
上記の目的からすると、オリエンテーリングの紹介動画やライブ配信などとは制作のポイントが自ずと変わってきます
- メイン撮影者は1名
- テレイン内のパトロール担当が兼務するのが良いでしょう
- 次項の「素早く完成」にも関わりますが、複数名で撮影すると素材映像の確認に時間がかかります
- その他にスタート・給水所・フィニッシュ担当に余裕がある時に撮ってもらえば充分です
- 素早く完成させる
- できれば当日か翌日
- 動画タイトル・BGM・地図画像などは事前に編集ソフトに取り込んでおくと楽 (特にBGMの選曲!!)
- コントロールフラッグと競技者が主役
- ビジュアル的に「オリエンテーリングらしい」シーンは、やはりコントロールをパンチングする競技者の姿です
- 格好良く魅せる
- 競技者がもたついている部分はカットして、素早い動きの部分を残す
- 1シーンの平均は10秒前後、カットして3秒しか残らなくてもOK
- 顔のアップは出来るだけ映さない
- プライバシーへの配慮です (被写体がポーズを取っている場合は承諾ありとみなしてます)
- フラッグをアップにしたローアングルにすると、パンチング時の競技者の顔はフレーム外になります
- 参加者に干渉しない
- 当然ですが、競技の公平性には注意を
- コントロールフラッグの横に他の競技者が立っていることもあるので、撮影者がいることは許容範囲内と考えています
- 再生時間は1分〜4分
- CMサイズ(15秒?30秒)では短い、BGM一曲以内
- 埋め草に使うため、風景も撮っておく
OKテイクが3シーンあれば大会ダイジェスト動画を作れる
1シーンの平均時間が10秒であれば、最低でも6シーン以上は必要?
いえいえ!、運営者が作成するならば3シーンで1分の動画を作成できます。サンプルとして11月に作成したPark-O Tour Hokkaido 2020 第5戦の動画を見てください。
コース地図を自由に使えるのが運営者作成の最大のメリット
- 300dpiか600dpiで出力したコース地図のjpeg画像が1枚あれば表現の幅が広がります
- 編集ソフトにはズームイン・ズームアウト・スクロールの機能がありますから、それらを駆使しましょう
- 「景色」と「地図」は交互に表示
- オリエンテーリングの競技中は、地形を見る、地図を見る、地形を見る、を繰り返していますので、画面分割で「景色」と「地図」を同時に表示するよりも、時間分割で表示する方が競技者の感覚に合っているように思います
機材はスマートフォンとPCでOK
- 私はiPhoneとMacBook Air、編集ソフトは無料のiMovieだけで制作しています
- 自宅に帰る前に編集作業を開始できるのでノートPCの方が便利かもしれません。ただし編集作業中はかなりCPUパワーを消費するのでACアダプターは必須です
大会動画撮影は一期一会 << 撮影の心得 >>
- 大勢の参加者を動画に映すことはできない
- 動画撮影はたまたまカメラを構えたタイミングで現れた競技者を撮ることしか出来ません
- 初期の動画は「参加してくれた皆さんを出来るだけ画面に出してあげたい!」と考えて撮影していました。テレインを移動しながら全員を撮すことは出来ませんから、必然的に撮影ポイントは固定されます。
すると再生時間が長いのに、画面に変化の無い退屈な動画になってしまいます (失敗事例)
大勢の参加者を映すのであれば、静止画のフォトライブラリの方が向いています
- 撮影チャンスを逃したら諦める (やり直しはきかない)
- カメラを構える前に競技者が来てしまったり、操作を間違えて静止画モードで撮ってしまったり、逃した撮影チャンスは山程あります。そんなときは「大会動画撮影は一期一会」と呟いて諦めましょう
BGMは大事
初期の動画は「選曲」が面倒でBGMを省略していましたが、やはり音楽が無いと動画を見ていても物足りないですね。
BGMの選曲が面倒なのは、フリー素材の音源が膨大にありすぎるのと、曲調を確認するのに時間がかかる(試聴する曲数×再生時間)ためです。画像の編集に目処がついてからBGMを選ぼうとしても、つい億劫になりそのままアップロードしていました。
- BGMの選曲(&ダウンロード)は事前に済ませておきましょう
- ランニングのリズムに合わせたアップテンポな曲が無難かと思います
- スキーOはランよりもストロークが長いので、少しだけテンポを落とした曲が合うと思います
- 作者さんへの礼儀として、動画中に曲名・作者名は明示するようにしましょう
私はVOCALOIDの楽曲を主に使用
- いわゆるボカロ曲の作者さんは「歌ってみた」で使えるように、大抵の場合インストゥルメンタル(カラオケ)バージョンを非商用ライセンスで公開しています (オリジナル曲を公開している方も)
- ニコニコ動画を「vocaloid」タグで検索し、再生数の多い順に表示してアップテンポな曲を選んでいます
- 再生数の多い曲はインストゥルメンタルでもカッコイイ曲が多いです
最後に
- まずは撮って、編集してみるのが一番だと思います
- 地図画像の利用承諾
- 他者の作成した既存地図で大会を開催する場合、コース図の作成・配布と併せて動画への使用も許可を頂いておくと良いですね
by 宮川@札幌農学校 (miyakawa_to@yahoo.co.jp)
初版:2020.12.20 最終更新:2020.12.20